食塩の基礎知識

 

食塩について解説

製パンにおいて食塩は欠かすことのできない原料である。
基礎的な知識について解説していく。

食塩の作用

 

製パンにおいて、食塩の働きは大きく2つあり1つは、グルテンに作用し製パン性を向上させる。

 

パン生地は、塩を添加することでグルテンが引き締まり、より伸展性を増してくる。

酵素の抑制作用

塩を入れ忘れたことがある方はわかると思うが、非常に生地が切れやすくベタついたものになる。
これはたんぱく質分解酵素の働きで起こる。

 

塩を配合するとこのたんぱく質分解酵素の働きが抑制される、そのためグルテンが阻害されることなく生地中に存在できるためベタつくことなく製パン性が向上するのである。

 

スポンサードリンク

味覚への影響

さらにもうひとつ忘れていけないのは味への影響である。

 

塩の全く入らないパンは非常に食べづらく感じる。

 

私も塩を入れ忘れたパンを店頭に並べ販売してしまった苦い経験がある。

 

当然、クレーム発生となり全品回収、返金、謝罪と対応せねばならなくなった。

 

そのなかでお客様から

 

「余りまずかったので、イヌにあげたけどイヌもたべなかった」と叱責された。

 

それほど衝撃的な味の変化がある。

 

塩が貴重品だった昔は、パンには塩を配合していなかったようである。
フランスでも、18世紀後半以降に塩を入れるようになったようだ。

 

しかし、現在の私たちのように、塩味に慣れ親しんだ者にとっては飲み込むのに苦労するほど違和感を感じる味である。

 

イタリアのトスカーナ地方には、塩を配合しないパンが現在も残っているが非常に稀有な存在である。

 

日本でも腎臓病をわずらった方々のために、無塩パンが作られているようであるが、製パン性や味の問題で少なからず工夫が必要になってくる。 

塩の添加量

添加量としては、1%〜2.2%の間で配合される場合が多い。

 

基本は、2%を超えない程度の配合であるが、吸水を多くしたフランスパンなどでは、2%では、薄味に感じることがある。
その場合2.2%まで引き上げると、調整できる。

 

また、近年はさまざまな塩が流通しており、消費者の注目も高まっている。
しかし、塩以外の成分も混ざっており製品に影響を及ぼすこともあるので注意が必要だ。
吸水の調整や添加量の見直しで解決できるので、塩を変えたときは、配合の見直しも検討するとよい。

 

塩分摂取量

日本人は世界的にみると塩分を多く摂取している傾向にある。
統計によると、一日に平均すると男性が11.1g女性が9.4gという厚労省のデータもある。

 

塩分の摂取過多によって引き起こされる健康障害も多く知られている。

 

高血圧の予防のために男性8.0g、女性7.0gという目標値が掲げられているようである。

 

われわれパン職人にとってはパンに食塩を使用していることは当然わかっているが、消費者の中にはパンに食塩が使用されていることがわからなかったり極端に多く塩を配合しているのではないかと不安がる人もいる。

 

平均的な値ではあるがここにパンに含まれる塩分の量をあげておく。

種類 塩分相当量
6枚切り食パン1枚 0.8g(1.3g)
ロールパン 0.7g(1.2g)
クロワッサン 0.7g(1.2g)
ベーグル 0.7g(1.2g)
フランスパン2切れ 1g(1.6g)

2015年版日本食品標準成分表より(カッコ内は可食部100gの塩分相当量)

 

このように極端に多いわけではないが習慣的にスープや加塩バター、マーガリンなどと喫食する場合がおおく総合的に一食として見た場合塩分過多になることも考えられる。

 

対応としては、無塩バターや減塩マーガリンを使用したり、スープを薄味のものにすることで塩分摂取量を減らすこともできる。

 

原材料調達でお困りの方はコチラから→

スポンサードリンク

 

 

ブログのご紹介
家庭用製パン法や個人的な日記も掲載しています。サイトとあわせてご活用ください。

パン好人の実用知識

 

 

合わせてお読みいただきたいページ

小麦粉の基礎知識
パン職人にとって役に立つ、小麦粉の基礎知識を解りやすくご紹介いたします。
イーストの基礎知識
パン職人にとって、基本的なイーストの働きや、イーストの選択方法を解説いたします。
砂糖の基礎知識
製パンにおける砂糖の知識について解説していきます。
油脂の基礎知識
油脂について、働きや、保存上に注意点について解説します。
卵の基礎知識
卵について、製パンに必要な知識について解説していきます。
牛乳、脱脂粉乳の基礎知識
製パンにおける、牛乳および脱脂粉乳の知識を解説していきます。
モルトの基礎知識
モルトシロップの基礎知識を解説していきます。

ホーム RSS購読 サイトマップ
HOME プロフィール お問い合わせ