パン ペイザン

パンペイザンの製法解説

パンペイザンは農夫のパンと訳される、小麦、ライ麦、グラハム粉を使ったパンである。
粉の配合を見る通りつながりが悪くなりやすいため、発酵種(ルヴァンドパート)を用いて仕込んでいく。

 

グラハム粉の配合により、小麦の香りが強くなりさらに独特の歯ごたえも加わることでカンパーニュよりも個性的なパンに仕上げることができる。

 

グラハム粉やライ麦を配合するためしっかり焼きこむことで香ばしさを演出するとよいだろう。
その点を加味するとあまり小型のパンにしない方が良いだろう。

 

小型のパンを焼きこむとクラムの比率が減少し、味わいを損なうことがあるためである。

 

食べ方としてはカンパーニュ同様スライスしてそのままでも良いし、トーストやサンドイッチでも大変美味しく食べることができる。
サンドイッチの場合、玉子などの薄味のものよりハムやチーズなどしっかりと味の付いているものがお勧めである。
味の薄いものでは、具材がパンに負けてしまうからである。

 

 

パンペイザン|レシピ

ルヴァンドパート

 

 フランス粉…100%
 パートフェルメンテ…60%
 塩…2%
 水…62〜64%

 

本ごね

 

 フランス粉…50%
 ライ麦…25%
 グラハム粉…25%
 ルヴァンドパート.…80%
 塩…2%
 モルト…0.3%
 インスタントドライイースト…0.5%
 ショートニング…5〜7%
 水…68〜70%

 

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ルヴァンドパート

 

ミキシング

縦型ミキサーで良い、ミキシング時間は短く中種よりも生地ができていない程度で良い。
そのため、パートフェルメンテはちぎって細かくしておくとよいだろう。
捏ねあげ温度は23〜25℃を目標としミキシング時間は1速−2分、2速−2分でよい。

発酵時間

発酵時間は15時間を目途に行う。環境温度は23〜25℃とする。
発酵室がある場合は問題ないが、室内で発酵をとるときは温度管理に注意が必要である。

 

本ごね

配合を見る通り、生地のつながりは悪くため高速、長時間ミキシングではグルテンが切れてしまうミキシングはアンダー気味で良い。
また、グラハム粉は吸水に時間がかかるため発酵とともに生地が硬くしまってくる、それを見越して固さ調整を行うとよい。

 

ミキシング

スパイラルミキサー使用
1速−5分
2速−2分

 

捏ねあげ目標温度
26℃

フロアータイム

30℃の環境で100分
途中70分時点でパンチを入れる。

分割

あまり小型のものは適さない350〜500gの間で決めるとよいだろう。
ベンチタイムは20分

成形

棒状の成形で良いだろう、あまり凝った形にすると生地が弱い分固いパンに仕上がってしまう。
太めのバタールといった感じで良い。
あまり強く締め付けると、発酵させている時点で生地切れを起こすためしめすぎに注意する。

 

ダレやすいためタイトに布どりして扁平になるのを防ぐ。

ホイロ

ホイロは様子を見ながら十分に行う、若いと生地が負けてこれもまた生地切れの原因になる。
温度35℃
湿度75%で65〜70分を目安にする。

 

焼成

 

スリップベルトに並べ、クープを3本入れる。
粉振りをするとクープを入れやすくなるので適宜粉振りをしても良いだろう。
スチームは入れすぎると固くなるためカマ入れ前に注入して蒸気が落ち着いてからカマ入れするとよいだろう。

 

焼成温度
230℃

 

焼成時間
35〜40分
必要に応じて、最後10分くらいダンパーを開けてもよい。

 

しっかり焼成することで香ばしく焼き上げることができる。また、水分の抜けも大事である。
焼減率は18〜20%である。

 

まとめ

パンペイザンの製法を紹介した。
パンコンプレもそうだが、つながりの悪い生地は発酵種法(ルヴァンドパート)やパートフェルメンテ法などを使うことで生地にボリュームを与えることができる。
グラハム粉だけでなく、レーズンやごまなどを多く配合したら同じくつながりの悪い生地になるだろう。
こんなときの対処法が今回ご紹介した製法を応用して行うことができる。
また、中種法も同じ様な効果が期待できる。
ボリュームの改善が必要な時は是非試してみるとよいだろう。

文:佐藤 俊昭

 

 

 

 

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