原価計算の種類と活用法

原価計算の種類とは、また使い道について解説

 原価計算の種類とは、どのようなものがあるのでしょうか?また、その使い道は?

見積原価

 見積原価とは、新製品を作るにあたっての最初の原価計算です。

 

 新しいパンを作るとき、原材料費や作業効率を考え売価を決定しなければいけません。
 その時、このくらいが妥当であろうという予想で算出したものが見積原価になります。

 

 この見積原価計算で無理に安く見積もってしまうと、後々利益を出しにくい製品になってしまうことがあるので、実現可能な線で見積もります。

目標原価

 目標原価とは、一番安く見積もった原価計算になります。パン職人は、ここを目指して努力していきます。
 見積原価は原価主体なのに対し、目標原価は、利益主体です。

 

 このパンで、どのくらいの利益を出したいかを考え目標利益を設定します。

 

 売価から目標利益を引いたものが、目標原価になります。

 

 

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標準原価

 標準原価とは、実際に作ると今の実力ではこのくらいかかるだろうという製造部主体の原価計算になります。
 作業スピードや仕入れ値など、より現実的に勘案します。

 

 実際に作ってみたら儲かりませんでした、では困ります。
 この点で、目標原価と標準原価は対立関係にあります。

 

 目標原価は、このくらい儲けたいといい。
 標準原価は、実際はこんなもんですと表現します。

 

 この二つが、極端に離れていると、この企画は練り直しが必要になります。

 

 実際原価

 実際原価とは、製造した後、実際はどのくらい儲かったかをもとに算出する原価計算です。

 

 これが、標準原価や目標原価と比べて良いか悪いかの判断材料になります。

 

 いわゆる、成績表です。
 目標を上回る成績であれば言うことなしですが、下回ってしまうと改善策を講じなければいけません。

 

 効率を上げるか、仕入れ値を交渉しなければいけません。
 ロス率を下げることも必要になります。

 

 このように原価計算をすることで、どこに改善が必要かがはっきりとわかります。
 このことで、すばやく改善に取り掛かり、より効率的に利益を上げることができます。

 

 

 計画を立て、評価をして、改善するというサイクルが見えてきます。
 このことは、良いパンを作る上でも必要なサイクルになります。原価計算を学ぶことで、より一層パン職人の質も上がっていくと思います。

 

 見積原価、目標原価、標準原価は、事前原価計算といい。
 実際原価は、事後原価計算といいます。

文:佐藤 俊昭

 

 

 

 

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