卵の基礎知識

卵の基礎知識

卵が製パンにおいてどのような作用をもたらすか
見ていきましょう。

 

 

卵の作用

 

卵の製パンにおける作用についての一つは乳化が上げらます。

 

卵黄に含まれるレシチンの乳化作用で製パン性が向上し生地は扱いやすくなります。
さらに、乳化によって水分が安定するため、パンが乾燥するのを防ぎ老化を遅らせます。

 

もう一つに挙げられるのが風味向上です。

 

卵を加えることでパンはコクが加わり、さらにまろやかな香り放つようになります。
ブリオッシュなど卵の配合率が上がるとその効果はより顕著に表れてくるようになります。

 

しかし、一方で
卵黄の配合を増やしすぎると逆にふくらみが悪く重たい食感になります。

 

重たく感じたときは、全体量はそのままにせておいて全卵と卵黄を組み合わせることで
配合を調整することができます。

 

卵は製パンにおいてツヤ出し用としても利用されます。

ツヤ出し用溶き卵の作り方

ツヤ出し用の溶き卵はドリュールと呼ばれています。
ドリュールの作り方の注意としては、
あまり泡立てず切るように混ぜ、裏ごしして作ります。

 

なぜ泡立てないかというと、泡立ててしまうと裏ごししても泡がのこってしまい
表面に塗って焼き上げたあともザラザラした状態になってしまいます。
また、濃度が高く塗りにくい場合は少量の水を加えて調整するとよいでしょう。

 

塗り方としては、刷毛を使ってごく薄く、ムラなくぬることが大事です。
厚く塗りすぎると、焼きあがってからしわになることもあります。

 

 

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卵の気泡性

製パンではあまり意識することはないが、製菓においてはこの気泡性が重要になってきます。

 

卵はホイップすることでたくさんの空気を含み体積を膨張させていきます。
このことで、ふわふわした食感のスポンジなどを焼き上げることができるということです。

 

この作業で重要になってくるのが脱脂です。

 

油の存在は卵の気泡性を著しく低下させます。
そのため、使用する器具の脂分を除去することを意識し洗浄保管しておかなければなりません。

 

使用する器具は、洗剤を使い洗浄し衛生的に保ちながら乾燥させます。
タオルなどで水分をふき取る場合は、タオルそのものに脂分が付着していることもあるので清潔なタオルを使用し
異物混入にも注意をはらいましょう。

 

卵白の気泡性

また、特に卵白における気泡性では鮮度が問題になってきます。

 

鮮度の良い卵白では立て続けると離水したようになり気泡を十分に含めない状態になることがあります。

 

これを回避するため、割卵後1週間程度冷蔵保存したものを利用する方法があります。

 

こうすることで卵白はブリブリした状態からサラサラな状態へと変化します。

 

他には、キウイやパイナップルなどの果汁を少量加えることで分解を促進させる方法もあります。
この場合冷蔵保存は1〜2日で水様性卵白へと変化します。

 

また、クレームターターという酒石酸を加えることで、離水を防ぐ方法もあります。

文:佐藤 俊昭

 

 

 

 

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