書籍「フィリップ・ビゴのパン」の魅力についてご紹介
フィリップ・ビゴ氏は、ドンクの職人として来日されてそのまま日本でお店を開業されたそうです。
名店「ビゴのパン」芦屋本店に私も訪れたことがありますが、昔のパン店の雰囲気を残しながら、店内からカマ入れの様子が見える大きなガラス張りのスペースがありパン作りの魅力を感じることのできるお店でした。
書籍フィリップ・ビゴのパン
この本ではそんなビゴの店で作られているレシピをふんだんに紹介されています。
序章では
本の中では、パン作りに対する心構えがフィリップ・ビゴ氏の視点で語られている序章部分では氏の”パン哲学”が語られており、パンに対する愛情があふれ出る文章となっています。
話は、パン職人を目指す人へもむけられビゴ氏の”職人愛”も感じられます。
この序章は、挫折しそうになったときにはビゴさんが「がんばれ!負けるな!」と応援してくれてるようにも感じます。
中身の濃いレシピ部分
レシピの紹介も丁寧で、工程写真はこれでもかというくらい細かく載せられています。
しかし一方でミキシングタイムは一切載せられていません。これは、パン作りは生地との対話であると考える氏のこだわりだろうと感じました。
さらに、イーストの使い分けなどはプロでも気づくことのできない発見も彼の視点で解説されています。
レシピは、パンに留まらずフランス菓子やパンを使った家庭料理、煮込み料理やサラダのレシピまで載せられています。
パンデコレと呼ばれる装飾パンも紹介されています。
どの工程も生地にストレスをかけないことを徹底している彼の製パン姿勢が感じられます。
この本は彼の店同様、上辺を飾り付けた張りぼてではなく、フランスのパンの歴史や彼の人生からにじみ出した愛の結晶のような本だと感じました。
この本は、ご家庭でパン作りを楽しんでいる方やこれからパン職人を目指そうという方、さらにはすでに立派なパン職人をされている方にも是非読んでいただきたい一冊です。
まだ、お持ちでない方はこちらのリンクからご購入いただけます。
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- 名店オーボンヴュータンの日本を代表するパティシエ河田勝彦氏の著書 伝統こそ新しいの書評です。
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