分割について解説
分割とは、生地を必要な重量に切り分けることである。
切り分ける作業は、少なからずパン生地にストレスを与えるので、そのストレスを最小限に抑える必要がある。
フロアータイム時のボックスに塗布する油脂もストレスを軽減する一環である。
生地のストレスを軽減することに主眼を置いて作業することで、パン自体のクオリティーを上げることができる。
分割もまた重要な作業工程である。
分割の順番
重量の多いものと、少ないものは、どちらから分割してゆけばよいだろうか?この答えは、ベンチタイムの長短がかかわってくる。
重量の大きいものは、その容積が大きいため成形時、より多くの伸展性を必要とする。
一方、小型のパンは反対に比較的、若い段階で成形に入る。
つまり、小型のパンは短く、大型のパンになるにつれ長くベンチタイムを必要となる。この現象は、ホイロでも見られる。
総合して考えると、大型のものを先に分割していくと、小型のパンが追い付いてくることが起こる。
結果的に、適正な成形タイミングを逃すことにつながってしまう。
つまり、小型のものからの分割が利にかなってるということになる。
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一般的には、小型のパンから分割することによって工程全体が円滑に進むことになる。例外ももちろん存在するが、基本的な考えかたを理解することが大事である。
分割の効率化
分割は、時間との戦いになる。スピードが速ければ、それだけ後の工程を円滑にしてくれる。では、どのように効率化を図るのか?
ひとつは、切れの良いスケッパーを用意することである。一般的なスケッパーは、厚みがあり切れが悪いことがある。そういう場合は、目の粗いヤスリやコンクリートブロックを使って砥ぐと切れ味が改善する。
また、切る回数を極力少なくする。この方法としては、生地をスケッパーの幅より細い棒状に切り分けてから金太郎飴のように切り進めることで、実現できる。
切れの良いスケッパーで、金太郎飴の要領で分割することで、かなりスピードアップする。
後は、秤に慣れることである。竿バカリは、慣れるまで少し大変であるが使いこなすと驚くほどのスピードで分割できるようになる。
コツとしては、分割する生地の大きさを覚え、その大きさになるよう切り分ける。この作業が重要で、後の作業を楽にしてくれる。
次は、竿の揺れ方を覚える。ゆっくり上下する状態に少ないカット数で持ち込む。強く跳ね上がれば重く、上がらなければ軽い、理想はぴったりか少し軽めに最初の生地を切り分けると、効率よく分割できる。