発酵について考える

分割の説明に入る前に発酵について

そもそも、発酵とは微生物によって人間に有用な効果をもたらす変化を言います。
発酵とよく似た内容の言葉に「腐敗」や「変敗」があります。

 

腐敗や変敗は、人間にとって有害な効果をもたらす微生物の作用を言います。

 

つまり、有用か有害かによってそれらは分けられています。

パンでいうところの発酵

パンでは、イーストの活動を利用することが多いです。
そのほかには、天然酵母を利用する場合もあります。

 

天然酵母の中にもちろんイーストもいます。そのほかに乳酸菌なんかも複雑に絡んでいます。

 

ここでは、イーストの事をメイン考えていきます。

 

イーストは動物、植物?

 

イーストは菌です。はい、植物は葉緑体を持っているかどうかで判断できます。動物は動き回ります。
菌は、葉緑体は持っていなし、動物的に動き回る事もしません。

 

生物のもう一つの形、つまり「菌類」属します。

 

動物でもなく、植物でもなく、菌なのです。

 

イーストの働き

 

イーストはパン生地中で、しょ糖やデンプンから分解された糖質を栄養として活動します。

 

温度も必要です。低いと冬眠?してしまいます。
イーストが活発に動ける温度は28℃〜32℃です。

 

温度と栄養ともう一つ水も必要です。

 

これら三つの要素で活動を始めます。

 

条件が揃うと、まずは糖質を取り込み分解して、二酸化炭素、有機酸(芳香)、アルコールを生産します。

 

この時、発する期待がグルテンの網目の中で膨張し生地を膨らませます。

1次?2次?

昔よく耳にした言葉に「1次発酵」「2次発酵」という言葉があります。

 

職人の間では、今余り使われてないんじゃないかと思います。

 

1次や2次では誤解を招くからではないかと考えています。

 

1次はまだ分かります。捏ね上げて最初の発酵です。

 

いい感じになって、「パンチ」を入れます。

 

パンチにあとは2次発酵?

 

そうかもしれませんし、違うかもしれません。

 

人によって微妙にとらえ方が違います。

 

私の場合は、1次発酵の途中でパンチを入れると考えているので残りの1次発酵としてとらえています。

 

じゃあ3次発酵ってあるの?っていうと、その言葉は聞いたことがありません。

 

私と違うとらえ方をする人はみんな「ホイロ」と読んでいました。

 

ややこしいので、職人のほとんどは、「フロアー」(私のいう1次発酵)、や「ホイロ」(私のいう2次発酵)というようになっていると考えています。

 

ちなみに、パン職人の多くは「ベンチ」を発酵ととらえていません。
ベンチは生地を休めている時間ととらえています。

 

適正発酵

 

適正発酵の見極めは難しいですが、「フロアー」では体積が3倍になるくらいと考えています。
パンの種類などで変化はしますが、基準は体積が3倍になった時点と考えて「フロアー」を終了し「分割」「丸目」と進めています。

 

「ホイロ」の見極めは成形直後の体積の2.5倍程度と考えています。

 

このような体積を意識して見ていると、割と見極めができるようになってきます。

 

発酵のコントロール

 

パン職人は経験から、発酵を調整します。

 

いろんな種類のパンを効率的に作るための基本スキルです。

 

これが上手な職人は、尊敬され現場のリーダーになります。

 

温度や、環境をコントロールして工程を整えながら、一日パンを焼き続けます。

 

 

 

 

文:佐藤 俊昭

 

 

 

 

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