原価計算の基礎

原価計算の基礎記事一覧

原価とは 原価計算の話をする前に、そもそも原価とは何かから話を進めていきます。 あなたの勤め先には、蛍光灯などの照明があるでしょうか? ほとんどの勤め先には、あると思います。 どうして、会社では照明を設置しているのでしょうか? 暗い中、作業をするのは効率が悪く思わぬミスにつながるからではないでしょうか。 ボールペンやコピー用紙もパン作りには、直接関係ありませんが多くのパン屋さんにあると思います。 ...

 一般にパン屋で原価というと、原材料にかかった金額を表す場合が多いように思います。 しかし、単純に材料費30%見たいなざっくりとした方針だけでは、戦略的な経営は目指すことができません。 たとえば、食パンは日用品であるため販売価格をさげる方針を考えたとする。しかしながら、原材料30%という考えでは行き詰ってしまいます。 では、どのように考えていけば良いのでしょうか。 原価には、製造に関する原価つまり...

 原価計算では、直接費と間接費を分けて考えていく必要があります。 たとえばあんパンを作るときを考えてみると、材料費は簡単にイメージできますよね。小麦粉や砂糖やイーストそしてあんこなどが材料費にあたります。これは、材料費の中の直接費にあたります。 では、材料費の中の間接費とは、なにがあるでしょうか? それは、たとえば使い捨てのベーキングシートは直接製品を構成する原材料ではありません。なので間接費に分...

 原価は、変動費と固定費とに分類することができます。この分類をすることで、損益分岐点などを調べることができます。変動費と固定費変動費とは、製造数が増えるとそれに比例して増える原価です。たとえば、小麦粉や砂糖また包装資材などがこれにあたります。逆に、固定費は、製造数にかかわらず一定の原価が発生するものです。つまり、家賃などがこれにあたります。ほかに、事務員の給与や役員報酬など、厳密には電気料金の基本...

 原価計算の種類とは、どのようなものがあるのでしょうか?また、その使い道は?見積原価 見積原価とは、新製品を作るにあたっての最初の原価計算です。 新しいパンを作るとき、原材料費や作業効率を考え売価を決定しなければいけません。 その時、このくらいが妥当であろうという予想で算出したものが見積原価になります。 この見積原価計算で無理に安く見積もってしまうと、後々利益を出しにくい製品になってしまうことがあ...

 見積原価、標準原価ともに事前原価計算にあたります。計算方法など共通の部分が多いですが、どのように違うのでしょうか? 見積原価は、自体に近い数値になります。 解りやすく言うと、今現在の実力をもとに計算するということになります。 たとえば、あんパンの成形個数が平均1時間あたり100個であれば、その通りの数値で計算に使います。 原材料についても同じことが言えます。 今現在の仕入れ値を採用したり、仕入れ...

 実際原価計算の中身は、大きく分けると 製造原価+販売費+一般管理費 となります。 製造原価については少し複雑なのでここでは、販売費と一般管理費について解説していきます。販売費と一般管理費 基本的には、製造部以外で発生した原価が、販売費と一般管理費になります。販売費と一般管理費は線引きが曖昧になることが多々あるので、まとめて営業費とすることもあります。 製造部以外で発生した原価なので、同じ事務職の...

実際原価計算の概要、手順を解説していきます。実際原価計算のルール 初めに、実際原価計算のルールについて解説していきます。 ルール1|原価単位 原価単位とは、簡単に言うと製品一個ということになります。 たとえば、クロワッサン一個とか食パン一斤とかが、1単位になります。 5個入れのバターロールは、1袋になります。 ある製品は10個単位、またある製品は、1個単位と基準をずらしてはいけません。 仮に10個...

 材料費の計算を行っていきます。材料別に集計 まずは、費目別計算の材料費、労務費、経費のうち、材料費を集計していきます。 材料費の計算は、材料単価×使用料になります。 もちろん、すべての原材料について計算していきますが、運賃など仕入れに必要な費用(材料副費)の扱いを決めておかなければいけません。 金額が小さい場合経費に入れてしまう方法もあります。 金額が大きい場合は、材料副費として材料費に含めます...

 労務費とは、労働力を使うことによって発生する原価を指します。 では、原価計算ではどのように扱うか見ていきます。 直接労務費と間接労務費 原価計算では、直接労務費と間接労務費とに分類することから始まります。 意外と解りやすいかと思いますが、パン屋の場合パンを作ったら直接労務費になります。 間接労務費は、事務員や管理職が該当します。 間接労務費はそのまま集計してしまいます。 直接は、少し面倒臭いです...

 経費とは、材料費、労務費に含まれない原価のことです。 つまり、材料費や労務費になにを含めるかによって変わってきます。 たとえば、原材料を仕入れたときにかかる運賃などの材料副費は、小額である場合経費として計算することもあります。 なので、会社ごとに微妙に違うということです。 経費の集計方法 経費は集計方法により以下のように種類があります。 測定経費 測定経費とは、電気代、ガス代、水道代が一般的です...

 ここでは、材料費、労務費、経費で集計したものをさらに部門別に集計していきます。 部門ごとに集計することで、原価管理がしやすくなります。 どの部門で原価がどの程度発生しているか把握できるようになります。部門分け 部門別原価計算では、原価部門を最初に設定します。この部門にはすべての原価が入ります。 それをさらに製造部門と補助部門に分けていきます。 製造部門はさらに、ラインが複数ある工場ではたとえば、...

 それでは、製品別原価計算について解説していきます。 いままで費目別、部門別に集計してきた原価を製品ごとに集計していきます。製品別原価計算の種類 製品別原価計算には、その集計法によって2つに大別できます。 個別原価計算 個別原価計算とは、その名の通り製品別に指図書を作成し発生した原価をそこに記入していきます。 製品ができた時点で、指図書ごとに集計し原価を算出します。 この方法は、比較的大きな受注生...