見積原価と標準原価の違いを解説
見積原価、標準原価ともに事前原価計算にあたります。計算方法など共通の部分が多いですが、どのように違うのでしょうか?
見積原価は、自体に近い数値になります。
解りやすく言うと、今現在の実力をもとに計算するということになります。
たとえば、あんパンの成形個数が平均1時間あたり100個であれば、その通りの数値で計算に使います。
原材料についても同じことが言えます。
今現在の仕入れ値を採用したり、仕入れ先の見積をもとに計算していきます。
では、標準原価はどうかと言うと最小値を採用していきます。
あんパンであれば、急げば1時間あたり120個できるかもしれませんし、150個かもしれません。
原材料はどうでしょう、取引先との交渉で5%の値引きが可能かもしれません。その場合95%で計算していきます。
このように、標準原価は、安く見積もっていきます。
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二つのちがいは?
この違いは、なぜ必要なのでしょうか?
新製品を作るにあたりいろんな準備が必要になります。そのため、見積原価をもとに原材料などの調達などを進めていきます。また、利益確保のできる売価設定にも見積原価を使います。
このような事を、標準原価で進めると利益を確保できなくなったり、利益の薄いものになってしまう可能性があります。
また、適切な原材料の確保にも影響が出てきます。
なので、今現在の実力で確保できるラインで設定していきます。
一方で、標準原価は努力すれば達成できる数値になります。
これは、改善目的に使用していきます。
こうすれば、もっと効率が良くなるなどの改善策を練りより標準原価に近い値に持っていきます。
これがなければ、改善の方向を見失ってしまいます。
安かろう、悪かろうの製品では競争力がありません。
適切に設定された標準原価を目指すことで、製品のコンセプトが保たれるということになります。
このように、良く似た見積原価と標準原価ですが、目的や使い方が大きく異なるということを覚えておいてください。
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