OEEって何?
OEEとは、Overall Equipment Effectiveness(総合設備効率)のことを言います。
工場、特にライン単位での効率の指標です。
少し、ややこしい部分もありますがゆっくり説明していきます。
OEEはISO22400(国際規格)に定義されたKPI(管理指標)の一つです。
3つの観点からこの指標は成り立っています。
- 設備
- 工程
- 品質
上記の3つです。
一つ一つ見ていきましょう。
ロスの細分化
OEEの概念では7大ロスとしてカテゴリーを挙げています。
設備のロス
設備における効率化を阻害するもの(ロス)には、4つの大きなカテゴリーがあるとOEEの概念は言っています。
- 故障
- 段どり・調整
- 刃具交換
- 立ち上げ
故障については、いわゆる故障です。細かくいうと突発的故障(予知不能)と経年劣化(予知可能)に分けることもできます。
段どり・調整については、切り替え時の停止時間、レイアウト変更にかかる停止時間。
刃具交換は、機械の消耗品の交換時間です。こちらはあるレベルでは予知可能な点に注意が必要です。
立ち上げは、ウォームアップや立ち上げにかかる時間になります。
工程のロス
工程のロスは下記の2カテゴリーです。
- 空転・チョコ停
- スピードダウン
チョコ停とは、チョコっと停止することを指します。機械の不調(あるいは性能の限界)による短時間の停止のことです。
空転は、機械は動いているが製品が排出されないような状態です。
スピードダウンについては、機械の性能の限界による想定異常のスピード低下を指します。
品質ロス
品質ロスは不良品ができて製品にならない不良と不良を手直しして良品にするための効率低下が該当します。
- 不良・手直し
3つの観点をかけ合わせるとOEEになる
前述した3つの観点でそれぞれ、それぞれ割合を出していきます
設備の観点では時間軸で割合を出します。
工程の観点では効率軸で割合を出します。少しややこしく感じますが、時間当たりの出来高あるいはスピード軸といったほうが分かりやすいかもしれません。
品質の観点では、良品率を使います。加工数量に対する良品数になります。手直しが考慮されていないように見えますが手直しをすることで加工数量が上がり結果的に数値を下げ評価されます。手直しにより工程の増加は工程の観点の中に入ってしまいます。
これらの割合をかけ合わせることで、OEEが算出されます。
OEEの使い方
OEEの数値は出ました。それではOEEはどのように活用すれば良いのでしょうか。
残念ながら、OEEそのもはラインの全体の効率を計る指標ですので、OEEの数値だけでは各ラインの効率の比較にしか使えません。
なんだつまらんと感じるかもしれませんが、例えば、地球の裏側の工場のラインとも条件が同じであれば、正確に比較することができます。また、条件が違っていてもある程度の評価ができます。
さらに、OEEは同一ラインで連続して比較することで効率の改善や悪化を人の感覚に頼ることなく把握することができます。
さらに、OEEを算出するために使った下位データで原因の追及に使うこともできる優れた機能があります。
OEEとTEEP
OEEを算出できた事で、1年間でどのくらい生産可能であるかや、設備の計画的な更新に役立ちます。
この指標はさらに、ローディングという概念を使い算出します。
ローディングとは、1日24時間の中で、占める実働時間の割合です。
OEEにこのローディングをかけ合わせることでTEEP(設備機器総合有効生産:Total Effective Equipment Performance)がもとまります。
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