サワー種|アンシュテルグート

サワー種の起こし方について解説

 サワー種はライ麦を熟成、発酵させてつくる天然酵母である。

 

 天然酵母では、種起こしが必要になるがここではその種の起こし方について解説していく。

 

 サワー種を使ったパンの特徴としては、一番に酸味が挙げられる。
 独特の柔らかい酸味である。噛むほどにうまみと酸味が口の中に広がり食欲を増進させてくれる。

 

 また、ライ麦の風味もまた独特でパンの味の輪郭を強くしてくれる。
 パンの味がしっかりしているので、強い食材との組み合わせでも引けを取らない強さのあるパンに仕上がる。

 

 最近では、インスタントでサワー種風味を出す製品も販売されているが自分で育てた種で作るパンは、なんともいえない愛しさを感じる。

 

 是非、チャレンジしてみてほしい。

アンシュテルグートの起こし方

 簡単に概要を説明するとライ麦と水で生地を作り、毎日継ぎ足していく作業である。
 温度管理が重要になるが、ある程度製パン経験があれば対応できるはずである。

 

 

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 1日目

 ライ麦…1kg
 水…650g
 ライ麦…1kg
縦型ミキサーでライ麦1kgと水650gをミキシングする。べたついた生地になる。ミキシング時間は、全体に均一に混ざれば良いので1速−4〜5分で十分である。
生地ボックスに生地を入れ、ライ麦1kgを振りかけておく。
こうすることで、表面の乾燥を防ぎ生地の膨張具合も判断しやすくなる。
捏ねあげ温度 28℃
環境 30℃
発酵時間 24時間

2日目(1回目)

 前日のライ麦と生地…全量
 水…1kg

 

 捏ねあげ温度…24℃
 環境…25℃
 発酵時間…8時間

2日目(2回目)

 2日目(1回目)の生地…全量
 ライ麦…900g
 水…200g

 

 捏ねあげ温度 24℃
 環境 22℃
 発酵時間 16時間

3日目(1回目)

 2日目の生地…750g
 ライ麦…500g
 水…500g

 

 捏ねあげ温度 24℃
 環境 25℃
 発酵時間 8時間

 

3日目(2回目)

 3日目(1回目)の生地…1.5kg
 ライ麦…800g
 水…400g

 

 捏ねあげ温度 24℃
 環境 22℃
 発酵時間 18時間

 

4日目

 3日目(2回目)の生地…1.5kg
 ライ麦…800g
 水…400g

 

 捏ねあげ温度 24℃
 環境 22℃
 発酵時間 24時間

5日目、6日目

 4日目と同じ作業を繰り返す。

 

 以上でアンシュテルグートが出来上がる。
 これを使い、サワー種に仕上げていく。

 

まとめ

 起こし種のアンシュテルグートの起こし方について解説してきた。
 仕込み量は、仕込みやすく安定しやすい量で書いているがロスが出てくるので、逆算してロスを少なく仕込んでも良い。

 

 仕上がりの良否であるが、やはり舐めて見るのが一番わかりやすい。ぴりっと強い酸味とあまい香りが良い状態である。
 酸化が進みすぎると、赤褐色になり強い酸臭を放つのでその場合は残念ではあるが廃棄して新たに作り直す必要がある。

 

 なかなか、手を出しにくい分野ではあるが私自身もほとんどを書籍から習得させてもらっているので、製パン経験がある方であれば十分習得できるスキルがあると思う。

 

 一定の層には支持されているパンであるので、一歩踏み出してチャレンジしてほしい。

 

 続けて、サワー種(2段階法)の解説を次項で行っていく。

 

 

文:佐藤 俊昭

 

 

 

 

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