焼成の概要
製パンでは焼くことを一般に焼成という、なぜこんな堅苦しい言葉を使うのでしょうか。
「焼く」と「焼成」の違い
パン生地は焼くことによって、どのような変化が起こるかを考えると単に「焼く」ではなく、なぜ「焼成」という言葉を使うのかが理解できる。
単に「焼く」という場合、原始的な熱源、主に火によって直接またわ間接に加熱します。
一方、「焼成」という場合は、温度や時間を調整しながら輻射熱を利用して加熱をすすめます。
そして、「焼成」という言葉を使う場合その工程の前後で、劇的な変化が起こります。
パンのほかに、「焼成」という言葉を使くものの中に陶器などが思い浮かびます。
陶器は、粘土を焼成することで劇的な変化が起こり、粘土とはくらべものにならないくらい固くなります。
パン職人を表す言葉「ベイカー」は、ベイク(焼く)という言葉からきています。
それほど、パン職人にとって焼成は重要な位置づけであったことがうかがえます。
さらに詳しく焼成の中身を見てみましょう。
パンは焼成によってはじめて、口にして美味しく感じることができるようになります。
焼成時パン生地の中でどのような変化が起こっているのかを見ていきましょう。
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焼成のプロセスを理解することで、どのような変化がどの段階で起こっているのかや、微妙な焼成の違いで味に与える影響なども理解できるようになります。
たとえば、ふたをして焼く食パンなども、慣れてくるとカマから漏れる湯気の感じや匂いである程度焼成加減を読み取ることができるようになってきます。
感覚で、「この匂いはカラメル化反応が始まって発している」と理解することでさらに微妙な温度変化にも気づけるようになります。
原理を理解して感覚を養うとより早く成長できます。
パン屋さんのいい香りは、焼成によって生まれます、またふっくらした食感もまた焼成のおかげです。
焼成の理解を深め、より製パンの魅力を再発見してみましょう。
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