焼成のプロセス|焼成を経時的に段階を踏んで解説

焼成のむずかしさを段階を区切ることで理解していきましょう

 

段階を踏むことで、より焼成の理解を深めていきましょう。
ここでは大まかに3段階に分けて説明していきます。

1段階|カマ伸び

ホイロからでた生地は、あるものはトッピングされ、卵を塗られ、またあるものはクープと呼ばれる切れ込みを
入れられてオーブンへと入れられていきます。

 

ここから生地の温度が急激に上昇し、生地を膨らまし体積を増していきます。
空気の膨張、発酵の活発化、また高温になることでの生地の軟化によってどんどん大きくなります。

 

パン職人はこのことを”カマ伸び”と呼んでいます。
生地温度の上昇によりグルテンは軟化し、でんぷんは、加熱により体積を増しより一層カマ伸びが、促進されて行きます。

 

一般的には体積比で、3割程度上昇して生地温度が60℃に達した時点で、イーストが死滅し、カマ伸びが終了します。

2段階|クラストの形成

パン生地の温度は、さらに上昇を続け外皮に当たるクラストを形成し始めます。

 

内部では、グルテンの凝固が始まりデンプンも同時に糊化へと進んでいき徐々にクラム(内層)を作り上げていきます。

 

この時点で、生地中心温度は概ね80℃に達しています。

 

全体の焼成時間の7割程度の経過時点です。

 

 

 

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3段階|メイラード反応とカラメル化反応

 

内部では、さらにクラムの形成が進み、クラストではメイラード反応とカラメル化反応が起こり美味しそうな色と香りを発するようになります。

 

メイラード反応はパンを黄色く色づけ、カラメル化反応は茶色く色づけます。

 

お餅を焼いたとき、表面がキツネ色になるのがメイラード反応です。

 

カラメル化反応は、プリンの下に入れるソースでおなじみの砂糖、糖分を焦がしたものがそれにあたります。

 

どちらも、人間の食欲をそそる芳香を持っております。

 

これは、長い歴史の中で加熱することで食品を安全に食べてきた人間が獲得した感覚と考えられます。

文:佐藤 俊昭

 

 

 

 

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