パート・フェルメンテ法

パート・フェルメンテ法の解説

パート・フェルメンテ法は、1980年レイモン・カルヴェル氏によって日本に紹介された。

 

製法の背景には、フランスにおけるパン職人の労働時間の短縮があったといわれている。

 

当時のフランスではフロアータイムの短縮によって労働時間の短縮を図っていたようである。

 

しかし、フランスパンはじっくり発酵させることで小麦粉のうまみを引き出していくパンであるためフランスパンの味が低下していった。

 

フランスで当時行われていた方法は、イーストを増やして発酵を促進させフロアータイムを短縮させていたためである。

 

その解決策とした味の低下を最小限にとどめ且つフロアータイムを大幅に短縮できるパート・フェルメンテ法が極めて有効に働いた。

 

このように書くと、対処法的でネガティブなイメージを抱くかもしれないが現在では、一つの独立した製パン法としてパン職人の選択肢となっている。

 

もちろん効率的であることは良いことであるが、副次的要素になりつつある。

パート・フェルメンテ法の概要 

フランスパンの生地を90〜120分発酵させ、冷蔵庫で12〜18時間冷蔵したものをパート・フェルメンテとして使用する。
添加量は、10〜170%程度である。

 

参考レシピ
 

  • フランス粉…100%
  •  塩…2%
  •  ドライイースト…0.7%
  •  モルト…0.3%
  •  水…66〜68%
  •  パート・フェルメンテ…30%

 

フロアータイムは、60分である途中30分時点でパンチを入れる。
一般的なストレート法はフロアータイム180分であるため約2時間の短縮となる。

 

フランスパンのほかにも、リーンなパンには多く応用できる。

 

また、ライ麦や全粒粉を使用したパンにはよりボリュームを与えることができる製法であるため、別に中種を仕込む手間も省略できるので(フランス生地を多めに仕込みパートフェルメンテとして利用する)、さらに効率化を図れる。

 

添加量は、フランスパンでは10〜25%、パン・ド・カンパーニュでは100〜170%になる。
ライ麦などが入るパンでは、中種的利用になるので添加量が増える傾向にある。

 

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まとめ

パート・フェルメンテ法は、今使用しているレシピにパート・フェルメンテを添加するだけでも利用できる製法である(多少、吸水調整は必要)ため導入しやすいと考える。

 

気軽にテストして見るとよいだろう。

 

文:佐藤 俊昭

 

 

 

 

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