デニッシュの製法

デニッシュの製法解説

 美しいデニッシュは、パン屋さんの花形である。
 クロワッサンと非常に近い製法ではあるが、クロワッサンと比べ配合が柔軟である。

 

 たとえば、折り込みのバターも少ないものは20%から多いものになると100%程度まで幅が広い。

 

 生地の硬さも製品や作り手の意思に合わせて変更していける。

 

 つまりは、明確な製品像を描いて配合を決定していくこととなる。

 

 ここでは、幅を持たせた配合例を用いて解説していく。

デニッシュ|レシピ

フランス粉…100%
砂糖…10%
塩…1.8%
脱脂粉乳…3〜4%
バター…8%
生イースト…5%
卵または卵黄…8〜10%
水…43〜47%

 

バター(ロールイン用)…50〜100%

 

 

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ミキシング

 縦型ミキサーを使用しオールインミックスで仕込んでいく。
 ミキシングタイムは
 1速−3分 2速−2分
 で十分である。
 捏ねあげ温度は、24℃を目標とする。

 

 仕上がった生地は、粉気が切れぼそぼそとした状態である。

発酵、熟成

 フロアータイムにあたるが、捏ねあげすぐに冷蔵するのであえて発酵、熟成とした。

 

 ソフト感を出したい場合は、ここで30分程度室温においてから冷蔵する。

 

 基準は、0〜3℃の冷蔵庫で3〜18時間である。

ロールイン

 ロールインは、標準で三つ折り三回である。
 一回ごとに冷凍庫(−16℃)で30分休ませる。

 

成形

 最終展厚は2.5mmで、好みの形に成形していく。

ホイロ

 温度30℃湿度75%で40分が標準になる。

焼成

 220℃のオーブンで12〜15分で焼き上げる。

まとめ

 デニッシュの製法を解説してきたが、製品のポイントとしてはしっかり焼きこむことである。
 あまりしっとりしたものは、美味しさを感じない。

 

 クリームやジャムのトッピングのバランスを考えても、しっかり焼きこまなければただ甘ったるいパンになってしまう。
 限界ぎりぎりまで焼きこんでほしい。

 

 焼き上がったものには、粉糖やアイシングで愛らしく飾ってほしい、またフルーツなどをトッピングした時は、乾燥防止のため、ナパージュを塗るとよい。

 

 最近では、洋菓子に負けないデニッシュを仕上げるパン屋さんが増えてきている。
 わたくし個人としては、あまり奇をてらったものより焼きこんだパン屋さんらしいデニッシュが好みだが、センスのあるパン屋さんの製品を見ると驚きと感動を覚える。

 

 ぜひ、あっと驚くような製品を作り出してほしい。

 

 

文:佐藤 俊昭

 

 

 

 

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