人の行動について心理学的に見てみましょう。
「人間は自らの判断において行動している」多くの人はそう信じています。
物を買うとき、仕事をするとき、自ら判断を下し行動していきます。しかし、それが実は他人から操られていたとなると少し怖いですよね。
でも、実は人間には行動パターンがあるといわれています。
どういうことかといいますとスイッチを押すと決まった行動をとってしまうことがあるようです。
動物には良く見受けられる行動です。鳥が巣作りをするため小枝をくわえて飛んでいきますが途中で小枝を落としてしまいます。
人間でしたら、拾ったり新たな小枝を取りに行きますよね。
でも、その鳥は巣を作っているところまで飛んでいきあったはずの小枝を巣に差し込むような行動をとらなければ新たな小枝を取りにいかないそうです。
少し滑稽な行動に見えます。
これが行動パターンになります。
動物でしたらほほえましく思えますが、これが自分でも起こりうるとしたらどうでしょう?
あるボタンを押されると財布からお金を出してその人にあげてしまうとしたら…。
考えただけでもぞっとします。
しかし、われわれ人間でもここまで極端ではなくてもある特定の条件では、多くの人が同じような行動をとってしまうことがあるようです。
スポンサードリンク
コピー機の割り込み
ある心理学者の研究です。
コピー機の順番待ちをしています。
後ろから、「すみません急いでいるので5枚だけ先にコピーをとらせていただけませんか?」と質問します。
あなたならどうしますか?
私なら、十中八九代わってあげます。
実験では、実に94%の人が代わって上げたそうです。
次に、「5枚だけ先にコピーさせてください」とだけお願いしてみます。
すると、実験結果は?
どうなったと思いますか?
多分、あなたの予想通りでしょう。
成功率は60%でした。
ふ〜んって感じですよね。
大体そんなもんだろう。
でも実験はもう一例あります。
それは、
「コピーを取らなくてはいけないので、先に5枚だけコピーさせてください」とお願いしました。
どうですか?
情報としては、先に5枚コピーさせてと何ら変わりません。
ですから、60パーセントがいいところでしょう。
ところが、実験では93%の確率で譲ってくれたそうです。
どういうこと?
これは、人間の行動パターンによるものだそうです。
つまり「お願い」だけをするより、「理由+お願い」の方が受け入れてもらいやすい。ということですが、ポイントはそこではありません。
ポイントは「理由」の部分は必ずしも人が納得するものではなくても、「理由」の形になってさえいれば良いということです。
つまり、「〜なので〜してくれませんか?」の形式さえあれば、多くの場合、いうことを聞いてもらえるというところです。
「理由+お願い」がスイッチになります。このスイッチを押すことで人は要求を受け入れてくれるという例になります。
しかし、お願いがコピー機の順番程度だからこの結果では?と思ってしまいますよね。
まとめ
人間には、どうも行動パターンがあるようです。
あなたも、ここぞというとき「お願い」だけではなく、「理由+お願い」の形でお願いしてみてはいかがでしょうか。
きっと、いい答えが引き出せるはずです。
参考書籍
影響力の正体
非常に分かりやすく、実際の検証をもとに書かれています。
読み進めるうちに、人間とはこんなに影響力の前では無力なのかと驚かされます。
悪用されたらと想像すると、背筋が寒くなります。
しかし、知っておくことでその悪い影響力から自身を防衛することもできます。
心理学について興味をお持ちの方には、お勧めの一冊になります。
価格:1,944円 (2016/5/18 22:29時点) |