色々なルヴァン種

さまざまな原料を使ったルヴァン種

 ルヴァン種はさまざまな原料から作ることができる、酵母を増殖させる方法は一様ではないが概ね同じと捉えることもできる。
 なぜなら、同じ酵母菌だからである。おもに、サッカロミセス属の菌であるがほかに乳酸菌もかかわってくる。これはすべてのルヴァンに共通していると考えて良いだろう。

 

 レーズンを使ったルヴァンの方法を見ていくと理解できるが、水と原料を最初に混ぜその中に酵母を増殖させる。次に酵母を増殖させた水と小麦粉で生地を作り種継ぎを繰り返すことで、ルヴァン種として仕上げていくのである。

 

 以下にリンゴ種、ヨーグルト種の起こし方を紹介していく。

リンゴ種

 使う品種は選ばないが表皮に多く酵母が生息していて皮ごと使用していくため、無農薬のものの方が酵母も多く安定して種起こし出来る。
 よく熟れたリンゴを使用することもポイントの1つになる。

 

起こし方

 リンゴ…100%
 水…100%
 はちみつ…5%

 

 環境…温度25〜28℃
 発酵時間…72〜96時間

 

 製法は、皮ごとミキサーにかけ攪拌し同量の水と合わせそこにハチミツを混ぜていく。
 ふたをできるビンなどに入れ、上記環境で発酵させる。
 発砲して、リンゴは上面に浮いたような状態になる。
 その液を裏ごしして小麦粉と捏ねていく。

 

 種
 フランス粉あるいは強力粉…100%
 発酵液…63〜65%
 ハチミツ…1%

 

 ミキシング
 1速−5〜6分

 

 捏ねあげ温度
 25℃を目標とします。

 

 発酵時間
 15〜20時間
 環境
 28℃

 

 仕上がった種は50〜60%で配合していくとよいだろう。
 参考配合を以下に示す。

 

 参考配合
 フランス粉…65%
 ルヴァン種…55%
 砂糖…2%
 塩…2%
 モルト…0.3%
 水 42〜44%

 

 捏ねあげ温度は高めの30℃にする。
 フロアータイムは160分程度で途中80〜100分でパンチを入れる。
 分割、成形と進み60分程度ホイロをとり
 220℃で30分程度焼成する。

 

 砂糖は配合しなくても良いが、配合した方が発酵が安定する。

 

 

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ヨーグルト種

 先に述べた通り手順等は共通であるが以下に示す。

 

 起こし方

 

ヨーグルト(プレーン)…100%
水…100%
ハチミツ…5%

 

温度25〜30℃で72〜96時間発酵させる。

 

発酵液を裏ごしして種に仕上げていく。

 


 フランス粉または強力粉…100%
 発酵液…65%
 ハチミツ…1%

 

ミキシング
 1速−5〜6分

 

 捏ねあげ温度
 25℃を目標とします。

 

発酵時間
 15〜20時間
 環境
 28℃

まとめ

 ルヴァン種の起こし方を解説してきたが、このほかにもさまざまな原料で起こすことができるは製法は同じように行っていけばよい。
 パン生地に仕上げる場合は、酸味のバランスや発酵力を考えながら添加量を増減させるとよい。
 種継ぎによって、発酵力は強くなっていきそれとともに、酸味も増してくる。
 安定感を求めるならば、種継ぎを2〜3回した方が安定する。

 

 あまり、いろんなルヴァンを作っても管理が大変であるが、時間のあるとき実験的に作って見るのも楽しいのではと考える。
 発酵の本質を勉強する良い教材となるのではなかろうか。

文:佐藤 俊昭

 

 

 

 

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