ルヴァン種の起こし方|製法解説
ルヴァン種とは、いわゆる天然酵母のことである。
手間がかかるがイーストでは真似できないパンをつくることができる。
また、ルヴァン種は、ハード系のパンしか作ることができないと思われることもあるが、上手に使うとブリオッシュくらいリッチな配合のパンも焼くことができる。
発酵には時間がかかるが、衛生環境と温度管理さえ十分に行えば、だれでも簡単に種起こしすることができる。
ここでは、発酵力が安定しているレーズンを使った製法を解説していく。
種起こし
≪材料≫
レーズン…適量
水…ビンに入れた状態で3〜4倍
煮沸消毒したフタをできるビンにレーズンひとつかみ程度入れ、そこに30℃程度のぬるま湯を注ぎ入れふたをする。
入れる量は、ビンを横から見てレーズン1:水3〜4で良い。
環境は25〜30℃で発酵を促す。
一日に1〜2度びんを振って全体を攪拌する。
この状態で約1週間発酵させる。
一週間経つとレーズンがぷかぷかと浮いてくる。
この状態で次の工程に進めていける。
ビンの中のレーズンとエキスをガーゼなどで漉してレーズンも絞ってエキスを出す。
ルヴァン種
酵母液を使って種を育てていきます。
1日目
≪材料≫
フランス粉…100g
レーズンエキス…50g
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手ごね
手ごねを行う、ある程度生地ができれば良い。
生地はかなり固めである。
捏ねあげは概ね25℃で良い。
発酵時間は24℃で6時間である。
きれいな厚手のポリシートで包み、十字にヒモを緩めに結び冷蔵庫で12〜24時間入れる。
二日目以降
≪材料≫
フランス粉…100g
水…50g
モルト…0.4g
ルヴァン種…50g
前日のルヴァン種は少し酸味がかった香りがしてくる。この状態で生地の膨張はごくわずかである。
上記の配合で、1日目と同じように捏ねていく。
24℃で6時間発酵させ、ヒモで縛り冷蔵庫で12〜24時間である。
二日目以降も同じように作業する。
この作業をおよそ一週間つずける。
目安としては、6時間発酵をとった時点で3倍に膨張していれば、製パンに使用できる。
リフレッシュ
ルヴァンはリフレッシュという工程を経てから製パンに使用する。リフレッシュすることで発酵力を強める事ができる。また、味の面でも酸味を抑える効果がある。
≪リフレッシュ配合≫
ルヴァン種…100%
フランス粉…200%
水…100%
モルト…0.8%
捏ねあげ温度は24℃に調整する。
30℃で6時間発酵させ2倍程度の体積になったら冷蔵庫で24時間発酵させる。
保存
リフレッシュ後は2〜3日は冷蔵保存できる。
まとめ
ルヴァン種の起こしかたについて解説してきた。
作業の難易度は低いので誰でも挑戦できると思う。気軽に挑戦して経験を積んでいってほしい。
ルヴァン種を扱うことで、より製パンの理解度が上がるので良い勉強になるはずである。
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