ミキシングとは何かを考える
ミキシングとは、原材料の分散とパン生地を作りこむ事が主な目的となります。
製パンにおける最初の工程であり、安定した生地に仕上げるためには熟練が要求されます。
生地の善し悪しを大きく決める工程であるため、集中力と判断力が求められてきます。
集中力
ちょっとした計量ミスでも生地を台無しにしてしまったり、吸水温の設定一つとっても仕込む人の判断一つで良くも悪くもなってしまいます。
熟練することで特に意識することなくミキシングを終えることができてしまいますが、そんな職人でもポイント、ポイントでは高い集中力を維持しながらミキシングしています。
ミキシングにおけるイメージ力の大切さ
さらに大事なのが、イメージ力です。
適正なミキシングを行う上では、イメージ力をつかいます。
分割での生地のイメージや成形での生地のイメージ、発酵時間も含めたイメージが適正ミキシングの判断につながることになります。
パン生地の骨格である、グルテンはゴムににています。
捏ねすぎると、何度も引っ張ったゴムのように弾力の乏しい生地になってしまいます。
このようなイメージを生地の状態に投影して、パンが最高の状態で焼きあがるように捏ねなければいけません。
多くの人は、時間や温度によって判断していると思われがちですが、実はそれ以上にイメージ力によって判断しているところが大きいです。
熟練した職人は、生地の感触やミキシングの音など五感を使ってパンの焼き上がりをイメージしながらミキシングを最適化しているものです。
つまり、 工程の全体像をイメージ力によって先見することにより、最適なミキシングができるよう訓練していくことが大切です。
ミキシング工程における異物混入対策
基本的なことですが一番大事なのが異物混入を防ぐことです。
せっかくおいしいパンが焼けても食べていたら中から紙くずが出てきたらすべて台無しですよね。
毛髪の混入はミキシング時に一番リスクが高まります。
ローラーがけや、ネット帽の着用で混入リスクの低減はかることが重要になってきます。
また、作業性は落ちますが衛生手袋の着用も衛生上の観点から検討も必要になってくる場合もあります。
その際、白色のものより青色のほうが、万が一の混入時発見しやすいメリットがあります。
異物混入防止3原則も大いに役立ちます。
異物混入防止3原則
1.持ち込まない
2.混入させない
3.取り除く
上記の異物混入防止3原則は、場内に張り出したりして意識の醸成を図ることも大事になってきます。
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リスク管理
毛髪クレーム異物混入クレームはパン製造業の悩みの種ですが、リスク管理の観点で改善していくことでリスク低減を図っていくことが大切になります。
決して、
「誰の髪の毛だろうか?」
「DNA検査をするぞ」
など
脅迫による改善は、身に付きにくく反対にフードディフェンスの観点からも良くありません。
フードディフェンスとは、悪意のある故意的食品危害を防ぐことを指します。
工場責任者は自身の管理責任であることを強く認識するべきです。
ローラーがけは適切か?
混入リスクの高い場所はどこか?
などデータ管理して、クレーム発生リスクを低減していくべきだと考えます。
私自身も、現在も悩まされています。
どうしたらよくなるか?
どうしたら今よりマシになるか?
あきらめず検証を続けるしかないのではと考えています。
危害管理については衛生管理(VIII)|HACCPによる衛生管理を参考にどうぞ。
- ミキシング4段階
- ミキシング4段階について解説していきます。
- ミキサーの種類
- ミキサーに種類について解説していきます。
- ドウフックの着脱不全の対処法
- ドウフックの着脱不全の対処法について解説していきます。
- 捏ねあげ温度
- 吸水温調整