長時間発酵のフランスパンの製法を解説していきます。
1920〜40年代にフランスで一般的に行われていた製法のようである。
28℃75%の環境で6時間の発酵をとる。24℃の室温では7時間半とかなりの時間を発酵にあてることになる。これは、当時のパン職人の睡眠時間にあたるそうだ。
仕事の最後にミキシングを終え、パンチをしてから就寝という具合である。
このように、味ももちろんだが、効率や合理性のもとに当時の職人たちは知恵を絞っていたことがうかがえる。
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長時間発酵法|フランスパンレシピ
フランス粉…100%
インスタントドライイースト・・・0.2%
塩…1.8%
モルト…0.3%
水…68%
ミキシング
スパイラルミキサー使用
1速−2分30秒→オートリーズタイム15分→1速−3分
捏ねあげ温度は23℃を目標とする。
フロアータイム
30分→パンチ→6時間(28℃75%)24℃の室温では7時間半
パンチ時点で生地はほとんど発酵していない。生地を引っ張るようにして力を与える。
分割
それぞれ目的に合わせ分割する。
ベンチタイム
30分を目安として行う。
成形
それぞれ製品に合わせ成形する。
ホイロ
製品によって調節するが、バゲットで30分を目安に行う。
焼成
焼成は、オーブンスプリングを起こさせるために初期段階は高温で焼成したい、のちに温度を下げて火通り時間を確保する。
スチーム注入はカマ入れ前に行う。
上火260℃下火250℃カマ入れ後、上火240℃下火230℃にセットする。
焼成時間は20〜25分を目安とする。
まとめ
長時間発酵は、1920年代当時は当たり前に行われていたようである。
長時間発酵にあてることで、生地は十分に熟成が進み風味ゆたかになる。
しかし、パン屋の仕事は長時間にわたるため労働者や職人たちは短時間にパン
を仕上げるようイースト添加量を増やし発酵時間を短縮してきた。
今では、フランスパンの標準発酵時間は3時間半となっているのが一般的ではなかろうか。
味は十分に満足いける仕上がりになるが、長時間発酵で得られる独特の甘みや風味は多少薄れている。
なかなか、製品としては工程の長さから敬遠しがちではあるがここぞというときに使える製法であると考える。
一度試してみるのも良いのではなかろうか。
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