食中毒の症状と予防策(III)

ウイルスおよびその他の食中毒について解説していきます

ウイルスによる食中毒

 ウイルスによる食中毒はノロウイルス、サポウイルス、A型肝炎ウイルス(E型肝炎ウイルス)が主になります。日本におけるウイルス性食中毒はノロウイルスがほとんどといわれています。
 冬に発生件数が増えていますが、近年では通年発生するようになっています。
 季節にかかわらず注意が必要です。

 

ノロウイルスによる食中毒

どんなところに?

 ヒトに感受性を持つウイルスであるとされています。感染者の便が下水道を通じて河川、海水を汚染し、カキや二枚貝に取り込まれます。

 

症状

 1〜2日の潜伏期を経て、嘔吐、吐き気を引き起こし、腹痛、下痢が発症します。

 

予防策

 トイレ後の手洗いの徹底、食品は十分に加熱調理します。二枚貝は85〜90℃で90秒以上加熱し、生食は避けましょう。
 感染力が非常に強いので、調理器具やドアノブの殺菌も行いましょう。

 

 

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寄生虫

 続いて寄生虫についてみていきます。
 食品についた寄生虫を不十分な加熱や生食などで体内に取り込んでしまうことで、感染してしまうことがあります。
 十分な加熱が予防策になりますので、85〜90℃で中心部まで90秒以上加熱するよう心がけましょう。

 主な寄生虫と症状

 回虫

主に有機野菜に生息し、サラダなど生食の際感染します。症状としては、下痢、腹痛になります。

クドア・セプテンプンクタータ

ヒラメなどの海産魚に生息しています。下痢、吐き気、嘔吐を引き起こします。

アニサキス

サバなどの海産魚に生息します。急性胃腸炎を引き起こすことで知られています。

裂頭条虫

サケ・マスに生息します。腹痛、下痢を引き起こします。

大複殖門条虫

イワシなどの海産魚に生息し、腹痛、下痢を引き起こします。

旋尾線虫

ホタルイカに生息し、腸閉塞、皮膚爬行症を引き起こします。

横川吸虫

アユ・アイラウオに生息し、腹痛、下痢を引き起こします。

顎口虫

淡水魚に生息し、皮膚腫瘤・爬行症を引き起こします。

自然毒による食中毒

自然毒による食中毒は、ふぐ毒がほとんどです。その他貝毒やキノコによる食中毒も発生しています。

ふぐ毒

 テトロドトキシンによる食中毒です。致死率が非常に高い毒で知られています。アルカリ処理により無毒化します。しかし、加熱では防ぐことができません。

貝毒

 麻痺性と下痢性に分かれています。麻痺性は死亡例もあるようです。
 下痢性は比較的軽症のようです。

毒キノコ

 毒キノコは種類も多く、素人では判断できないと言われています。
 分からないキノコは食べないことが肝要です。

 

 

 

 

 

文:佐藤 俊昭

 

 

 

 

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